「本当は行きたいのに!」
って言われ、おれは全然止める気もなく、二つ返事で
「いいよ、行っといでよ。たのしんどいで。」
って、送り出してやりたいんだけど、一緒に連れて行きたかった
子供を連れていけず、自分だけが行くのが気が引けるらしい。
連れて行けないとはいえ、もともとは上の子供が行きたがっていた
コンサートに付いていくというところから始まったんだけど、
子供のスケジュールなんて大人よりも過密だったりして
なかなか一緒に行けてないって気持ちもよくわかる。
一番面倒くさいと思うところは、
(本当は行きたいのはやまやまなんだけど)子供が
行けなくなって、私も遠慮していかないようにしたのはいいんだけど、
後になって、やっぱり行っておけばよかった…とおれに
ブツブツ言ってくることだ。
別におれはどちらかというとその辺はとうの昔にあきらめてて、
行きたいっていうことにはできるだけ気持ちよく送り出すことに
している。
なんでかというと、結局は(私は行きたかったのに)
俺が行かせなかった、という結論に持ち込もうとするからだ。
お願いだから今からでも遅くない、キャンセルしたバスや電車の
チケットを取り直してでも行ってきてほしい。
女でもいるんじゃないのか?って疑いをかけるやつがいたら、
それは全くの濡れ衣。
嘘をつくのに嘘を上塗りするほどおれはできちゃいないし、
記憶力もない。
そっちのほうが面倒だ。
行きたいのをアピールしておいて行かないことで後悔して
私はよく頑張った的なことは頼むから俺には押しつけないでほしい。
とりあえず俺はうんうんうなずいてはやるからさ。
目次